チンパンジーはどんな動物?
チンパンジーの生息地は?

チンパンジーは、霊長目ヒト科チンパンジー属に分類される類人猿です。
チンパンジーの生息地はアフリカ大陸でセネガルからコンゴ民主共和国、ウガンダ、ルワンダ、タンザニアなどで野生のチンパンジーが生息します。
赤道付近の熱帯雨林から雨季と乾季の差が激しいサバンナまで様々な環境に適応し生息しています。
チンパンジーは木の上で生活している樹上性のサルです。
チンパンジーの体長と特徴は?

頭胴長はオスが80~90cm、メスが70~80cmで立ち上がると150cmを超えます。
野生チンパンジーの体重は30~50kgで、動物園で飼育されたチンパンジーは60~80kgになります。
チンパンジーはゴリラやオランウータンと並ぶ大型のサルですがこの中で最も小さい種類になります。
顔は黒や肌色で成長に伴い額がはげ上がり(オス)、顔が黒ずむ傾向にあります。
チンパンジーの種類は?
チンパンジーの種類は1種類ではなく、大きくチンパンジー(コモンチンパンジー)属とボノボ(ピグミーチンパンジー)属に分かれます。
チンパンジーはいくつかの異なる天候や地形を持つ地域に点在しており、それぞれの地域で交わることなく独自に進化を遂げました。

たとえば、ザイール北東部からウガンダやタンザニアなどに生息するチンパンジーとヒガシチンパンジーと呼び、中央アフリカのカメルーンからコンゴや中央アフリカ共和国にかけて生息するチンパンジーをチュウオウチンパンジーと呼びます。
ナイジェリアやカメルーンの北部に生息するチンパンジーはナイジェリアチンパンジー、西アフリカのセネガルからガーナに生息するチンパンジーをニシチンパンジーと呼びます。
チンパンジーは知能が高い?
チンパンジーの知能

チンパンジーは人に近い遺伝子を持ち、ヒトとチンパンジーは同じ哺乳生物を先祖に持つとされています。
人間とチンパンジーのDNA遺伝子の差はたったの98%一致しているとされています。
チンパンジーは知能が高く賢いことで知られており訓練によって簡単な言語を習得できるといわれています。
チンパンジーは色々な道具を利用することができ、道具を用いた高度な問題を解くこともできます。
また、「じゃんけん」や「パズル」などの簡単なお遊びであれば理解するようで訓練次第ではそれより難しいこともこなしてしまうといわれています。
人間でいえば4歳児ほどの知能を持つとされており、訓練すると様々な芸を覚えることが可能で、例えば、緊張をやわらげるための挨拶行動など、人間のような社会的な行動を見せることも多々あります。
チンパンジーは「猛獣」か?

チンパンジーは賢く人に似た表情を見せることから人気の高い動物ですが、実は人や動物に危害を

加える可能性を持つ危険な動物でもあります。
野生のチンパンジーは「猛獣」に分類されゴリラよりも気性が激しいとも言われていまです。
「猛獣」といえばライオンやトラなどを真っ先に連想しますが、チンパンジーもそれと同じように分類されているのです。
オスのチンパンジーは、繁殖期を迎える頃になると攻撃的な行動を取ることが多くなります。
チンパンジーは子どものときは大人しくて可愛いのですが、6〜7歳になると高ぶる感情を抑えられなくなる傾向が強いといわれます。
腕力と握力がとっても強い?

チンパンジーは樹上生活をしているのでとても力が強いのが特徴です。
ゴリラほどではないにしろチンパンジーの握力は200~300kgとされており、成人男性の平均握力50kgに比べるととんでもない握力ですよね。
また、全身の筋肉が発達しており、腕力に関しては車のフロントガラスを簡単に割ったりするそうです。
見極めの能力もすごい?
チンパンジーは相手が自分より強いか弱いかを判断する能力に長けており、相手が弱いと判断されると襲う可能性もあります。
例えば、他の群れの子どもを襲うことで、自身の地位確立やメスへのアピールを行うという事例は多々報告されています。
チンパンジーは肉食?それとも菜食?
チンパンジーの食生活

チンパンジーは基本的にベジタリアンで、果実や種子、樹皮や昆虫などを食べて生活しますが時にはサルやイノシシ類などの小型哺乳類を食べることもあります。
まり野生のチンパンジーは基本的には草食ですが、お肉も食べる雑食性といえるのではないでしょうか。
動物園に飼われているチンパンジーはお肉はあまり食べないようで、こちらは果実と菜食が中心のベジタリアンです。
野生のチンパンジーは肉を食べることも?

ゴリラやオランウータンの生息する森ではエサが充分な果物や実があるため、狩りをして肉を食べることはありません。
野生チンパンジーの場合、乾燥地帯である生息地によってはエサが少なく充分な果物や実がないため哺乳類や小型動物を狩り肉を食べる習慣が付いたものと考えられています。
知能が高いチンパンジーの狩猟テクニックは優れており人懐っこい表情からは想像もできないほど凶暴になると言われています。
特に集団で協力してサルの集団を狩猟したりするシーンが目撃されており、頭脳プレーで集団捕獲した動物を食べる場合は母子間、大人同士で分配されることが多いといわれております。
共食いもしてしまう?

チンパンジーが「猛獣」に分類されていることは先に説明しましたが、なんと同じチンパンジーの仲間に対しても危害を加え共食いをします。
また、他の群れや自分の群れに関係なく赤ちゃんチンパンジーを襲い捕食してしまいます。
チンパンジーの子殺しに関してはいまだにその原因は解明されていません。
人間を襲うこともある?

衝撃的なことに、人を襲うチンパンジーの報告もあります。
アフリカ西部のタクガマ動物保護区域に住むオスのチンパンジー「ブルーノ」は、保護区に入った車からドライバーを引きずり出し殺しています。
このブルーノはその残忍な行動から「殺人チンパンジー」と呼ばれました。
あの有名な「パンくん」も人間を襲った?
パンくんは2004年から2012年に「天才チンパンジー」と呼ばれて日本にチンパンジーの可愛さを知らしめることに一役買いました。
パンくんは生まれた頃から人間の生活を教えられたため、人間のような行動をとり趣味を持っていました。
パンくんがジェームズのリードをひいて散歩させたり、はしやスプーンを使って食事をしたり、カメラで写真撮影するなどの行動は本当に可愛かったですね。
また、志村けんに非常によくなついており、ツーショットが同番組の象徴ともなりました。
ところが、2012年9月、パンくんが出演する動物ショーの終了直後に舞台の袖にいた女性研修員がパンくんに噛み付かれるという事故が起こってしまいました。
以後、パンくんはテレビやショーなどに出演することはなくなってしまいました。
最後に
いかがでしたでしょうか。今回はチンパンジーは獰猛?肉しか食べない?についてまとめてみました。知能の高いチンパンジーは見た目と違って、実は凶暴でお肉も食べる雑食性だということがわかりました。